SDA東京中央教会

はらじゅくニュース

『出会いから希望へ』
東京中央教会60周年記念誌委員会 山口 保夫

 「教会創立60周年記念誌」には、上記の誌名が選ばれました。50周年版の『この深き出会いを』に込められた、感謝の“出会い”を承(う)け、そして心ひとつにした“希望”へ。光栄にも再び制作のお手伝いをしている私は「ぜひ、この誌名を」と願っておりました。若葉の頃の刊行めざして、今や校正たけなわ。熊谷チーフを中心にした編集スタッフによる校訂・下割付作業を経て、デザイン入力担当の向井義樹さんへ送られた写真・記事は、PCプリンタから、カラフルな校正紙となって、次々に繰り出されてくる…。そう、新記念誌はオールカラーの“グラフイック”版なのです。そして、教会の「“外”向きに」という視点も強く意識した内容です。こうした点が、いわば「内向き」で文字中心だった50周年版とは異なります。版型も一回り大きいA5変型(並製・36頁)。新世紀10年間を中心に、教会の草創期からの歩みを、年表も交えて辿ります。資料・写真の提供や寄稿をはじめとする多大なご支援に感謝しつつ、善き証の書となることを念じおります。
 実は私は、「出会い」という語に格別の思い入れがあります。入信のずっと前、出版社勤めの頃から、奇しき有難い出会いに頻繁に恵まれ続けたいて、自身を「なんと強運な」と、いつも思っておりました。難局のたびに「助けびと」が現れるのです。ひとつだけ例をあげれば、わが社初の美術全集を担当して、門外漢ゆえ途方に暮れていると、独立・起業したばかりの大ベテラン美術専門編集者に出会い、全面協力を願うといった具合です。
 そして定年の5年前、求道者になったら、「奇度」トップクラスの出会いが待っていました。聖書研究のため、主任牧師千先勉先生をお訪ねして2回目,ミセス千先が仰るには「O社にお勤めだそうですね。H君やK君やF君はお元気ですか」?!? これには仰天しました——編集部で私の右腕みたいな存在のH君をはじめ、皆親しい仕事仲間だからです。絶句する私に「3人とも(山梨県立)日川高校の同級生なんです」と、にこやかに仰せのミセスの優しい目は、気のせいか「あなたはもう、この教会から離れられませんことよ」と囁いているかのようでした。しかも、千先先生はかつて私が手がけた学習参考書を愛用なさっていたと伺い、親しさが一気に深まる。実はこの頃あらゆる面で行き詰まっていた私は、こうして、御言葉を学びつつ更なる祝福の出会いへの道を、心躍らせて足早に突き進むことになります。受浸は次の年の春のことでした。
 「ローマ人への手紙」5:4に「…(忍耐は錬達を生み出し,)錬達は希望を生み出す」(Character(キャラクター) produces(プロデューシーズ) hope(ホウプ).) とあります。もしも「『出会いから希望へ』の英訳は?」と訊かれたら、この御言葉に倣って、“Encounter(エンカウンター) Produces(プロデューシーズ) Hope(ホウプ)”とお答えしたらどうかと考えています。