家の中で家内がつぶやくことに、「棚の上や、テーブルの上、きれいに片付けておくと、誰かが必ずそこに何かを置く。お掃除して、スペースを空けておくと、誰かが必ず、置かなくてもよい物をそこに置いてゆく。いっこうに片付きません!」。
犯人はたいてい私です。
空いているスペースがあると、ついついそこに物を置いてしまうのです。まるで引き寄せられるように。私はそれを「真空の法則」と呼んで、反省しております。
自然界では、一般に真空という状態はありえません。コップの中の水を、流せば必ず、その後には空気が入ります。逆に、空気が入らないようすれば、水は出てゆきません。コップの中には、必ず何かが入ってなければならないのです。
私たちの心も同様です。必ず何かが入っています。何もない、ということはありません。「真空の法則」です。
心の中から悪い思いを出そうとしても、なかなか出てゆかないことがあります。新しい思いをそこに入れなければ、悪い思いは出てゆかないのです。
思い煩い、不安や後悔を心から取り除こうとして、うまくゆかないことがあります。忘れようとすればするほど、かえって捕らわれてしまうことがあるのです。
その代わりに、神様のお約束、主にある希望、御言葉を心に入れてゆくならば、いつのまにか思い煩い、不安が追い出されていることがあります。「真空の法則」です。
ただし、私たちの心は、主にある良い思いを常に入れておかなければ、別の悪い思いがすぐに入り込んできます。
ですから聖書は、私たちの心が清く成長するために、二つの面から示唆を与えてくれます。一つは、コロサイ人への手紙3章5節です。
「だから、地上的なもの、すなわち、みだらな行い、不潔な行い、情欲、悪い欲望、および貪欲を捨て去りなさい」。
もう一つは、フィリピ人への手紙4章8節です。
「すべて真実なこと、すべて気高いこと、すべて正しいこと、すべて清いこと、すべて愛すべきこと、すべて名誉なことを、また、徳や称賛に値することがあれば、それを心に留めなさい」。