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2009年9月 第274号                                         
           終末時代のサインズ
       
           東京中央教会牧師 長池 明夫  

 結婚して初めて家内の実家(福島)へと郷帰りをした時のことでした。岳父からこう切り出されたのです。「ご覧の通りわが家には神棚も仏壇もない。無宗教を信条としているので、貴方の宗教をこの家に持ち込まないで欲しい。こわからも、普通のムコ殿として遇します。」以来、「普通のムコ殿」として祈に触れ郷帰りを続けておりました。そうしたある夏のこと、いつものように帰省した時、こっそり読み終えたサインズ誌をうっかり置き忘れて来てしまったのです。にのことは後になって岳父より説明されるまで全く覚えがながったのでした。)

 それから月日が経ち、秋田の教会へと赴任して4年目のことでした。その当時の福島教会の牧師から、このような電話をいただいたのです。「箝口令(かんこうれい)がしかれているので先生たちはご存じないと思いますが、お義父様が3年ほど前から礼拝に出席なさっておられます。しかし中々バプテスマの決心をなさらないので、先生たちからも上手に後方支援をお願いしたいのです。」 正に狐につままれたような話で本当にビックリいたしました。

 その翌年でした。岳父が病気で倒れたのを機に、今度は福島へと転勤し、それから3年目に孫たちと教会の皆様に囲まれて岳父はバプテスマを受けたのでした。

 岳父は太平洋戦争の頃、ビルマ(現在のミャンマー)の密林を、所属する部隊と共に逃げまどっていたそうです。そして同僚や部下たちが次々に戦禍に倒れていく中、無神論者だった岳父はそれでも必死に「これ以上犠牲者が出ないよう」神仏に祈りを献げたというのです。しかしこの祈りはついに叶えられることはなかった。そして終戦を迎え、復員後は神仏の加護を期待しない立場で、戦後の混乱期を懸命に生き抜いてきたというのです。

 かつて統一教会やオウム真理数の事件がお茶の間をにぎわした頃、岳父と義母は娘の嫁ぎ先であるSDA教会のことも大変憂慮し、岳父がとりあえず地元の福島教会を偵察して来ることになったのでした。そして安息日礼拝に出席し、お昼のパトラックに誘われて教会の皆様とお交わりをして、ひとまず安堵の胸をなでおろしたというのです。その帰り際に皆様からこのように言われたそうです。「この教会は、男性が少ないので、ノンンクリスチャンでも大歓迎です。サロンに来るようなお気持ちで、気軽にお出かけ下さい。」 それから欠かさず、土曜日は教会へ出席することを続けてきたというのです。

 地方の大学で教鞭を執っていた岳父は、専門が「幼児の音楽教育」でしたので、元より「教育」について深い関心があり、どうやら私が置き忘れたサインズ誌の掲載記事に共感を党えたようです。それから内緒でサインズ誌を注文し、こっそり読み続けていたのでした。私は思うのですが、岳父にはトラクトも通信講座も牧師の聖書研究でさえも、きっと導くのに有効的手段ではなかった。ピンポイントでサインズ誌以外に有効な手だてはなかったはずです。そのことを神様だけがよくご存じで、最も効果的な方法で岳父を導いて下さったのです。

 今、サインズ誌(ライフ誌も教課もそうなのですが)の購読数
が年々少なくなっています。それも、教会内での購読数が減少しているとも聞きます。その理由として、時流の変化に伴う一つの現象として説明されることもあるのですが、そうであればなおさら、私たち教会がこの伝統ある伝道誌をもっと支えていかなければならないのではないでしょうか。

 岳父は現在89歳になります。2年ほど前、脳梗塞のために倒
れ、それ以来半身不随の身で老人介護施設での生活を余儀なくされています。しかし以前家族で訪ねた時、岳父がこのように言ったのです。「キリストと出会って本当によかった。そしてあの時一瞬捨てようと思ったサインズを開いてよかった。」 そうです、そこから岳父の命への道の全てが始まったのですから。無宗教を信条としてきた岳父が思わぬきっかけから、神様にとらえられてしまったのです。そしてサインズから聖書へ、またキリストを通して天国につながる夢をあの一瞬の時に垣間見たのです。終末時代の「サインズ」をここにも見る思いがします。「その後、わたしはわが霊をすべての肉なる者に注ぐ。あなたがたのむすこ、娘は預言をし、あなたがたの老人たちは夢を見、あなたがたの若者たちは幻を見る。」(ヨエル2:28)






 9月のスケジュール

9/ 5(土)    [説]長池 明夫牧師
          役員会・長老会・TIC子羊クラブ
 /12(土)    [説]茂木 加織副牧師 
          子羊クラブ、PFC
 /19(土)   [説] 長池 明夫牧師
          敬老会・理事会・TIC子羊クラブ
 /26(土)    [説]長池 明夫牧師
          洗足・聖餐式
          子羊クラブ、PFC

                                                                                                      






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