2007年12月 第253号
クリスマスの贈り物
原宿英語学校教師 レオナード・オペ
「クリスマス」という言葉は英語の古語、「キリストのミサ」に由来するのです。「ミサ」とは宗数的儀式を表す言葉で、もともとカトリック教会で行われていました。クリスチャンたちは、二千余年前にキリストがこの世に誕生されたことの意味を知り、記憶を新たにして礼拝を捧げ、クリスマスをお祝いします。この習慣は、およそ4世紀ころに始まったものと思われ、それ以来今日までずっと続いています。国々によって、クリスマスの祝い方もさまざまです。教会や家族で讃美をしたり、プレゼントを贈り合ったり、クリスマス・キャロルを歌ったり、クリスマスだけの特別なメニューのご馳走を用意したり…。
しかし今は、この傾向がだんだんエスカレートして、本来のイエス・キリストの誕生を覚える宗数的な思いは薄れて、人々の歓楽とコマーシャルの激戦が取って代わっているという現状が見られます。
このような時代だからこそ、私たちは世のドンチャン騒ぎに流されることなく、焦点を正しいところに戻して、キリストを信じるクリスチャンとして、キリストが二千余年前に人類の罪を贖い、神の大切な被造物である人類に救いの道を開くためにこの地上においでになったという、人類歴史上の最大のイベントを心からの感謝と瞑想をもってお祝いしたいものです。
たしかにクリスマスは、贈り物と分かち合いの時でもあります。神はすべての良いものを下さる究極の贈り主であり、人類にこれ以上よい贈り物はないほどの贈り物をくださいました。それはイエス・キリストであり、人類歴史における最もすばらしいプレゼントです。
日本の人々にとって、クリスマスはキリストとの数少ない接点と言えるでしょう。私たちの使命はこのクリスマスの本当の意味を述べ伝えることです。世界中のすべての人に伝えることは、あまりにも膨大な、手に余る仕事と思えるかもしれません。でも神様のみ心は、今日私たちめいめいが、前に座った一人、言葉を交わした一人、挨拶した一人、電話をした一人…をあなたの祈りに加えて「主の大いなる日・キリストの再臨の日」に、ともに手を携えてキリストにお会いすることです。
今年のクリスマスが、あなたの周りの多くの方々にとって特別な時となりますように!
「なぜなら、『主の御名を呼び求める者は、すべて救われる』とあるからである。しかし、信じたことのない者を、どうして呼び求めることがあろうか。聞いたことのない者を、どうして信じることがあろうか。宣べ伝える者がいなくては、どうして聞くことがあろうか。つかわされなくては、どうして宣べ伝えることがあろうか。『ああ、麗しいかな。良きおとずれを告げる者の足は』と書いてあるとおりである。」(ローマ 10 : 13・ 14・ 15)
Let Jesus shine through you!
南極での一年を振り返って
SDA東京中央教会員・第48次南極越冬隊員 新井直樹
日本を離れて、まもなく一年が過ぎようとしています。この一年は私にとって怒涛のような毎日でした。何からお話しすべきなのか、心の中をまとめることができません。
昨年の12月末、南極観測船「しらせ」に乗って夏の南極に到着しました。ヘリコプターで南極大陸の沿岸に出かけました。初めて見た南極大陸は、荒涼とした岩だらけの世界でした。南極と言えば白銀の世界を想像していたのに、必ずしもそうではないようです。どこか違う惑星のような、乾いた砂と石の大地を歩きました。
大陸沿岸を離れ、昭和基地に到着しました。朽ち果てた古い雪上車やトラック、工事現場のような景色でした。「土方」という言葉は放送禁止用語だそうですが、まさに土方の生活が始まりました。昭和基地で屋外の工事ができるのは天候が安定している夏の間、2ヵ月弱しかありません。お医者さんであろうと研究者であろうと、ここでは関係ありません。現場監督の隊員に指示に従って、道路を造り、建物を造り、大きな工事をやり遂げます。慣れない工具を使い、重機を動かし、トラックを運転し。ほとんど休日もありません。一日中沈まない太陽に追われ、汗だくになって働きました。
夏が終わり、「しらせ」は昭和基地を離れました。残されたのは35人の越冬隊員。もう帰ることはできません。補給を受けることもできません。怪我をしても、病気になっても、そして家族に何かあっても、昭和基地から離れる手段はありません。そして冬が訪れました。激しい風と雪、ブリザードに襲われました。強い風にたたかれ、建物がミシミシと音を立てています。飛ばされる雪にさえぎられ、すぐ近くも見えません。建物の中にこもって、ブリザードが収まるのを待ち続けます。
やがて一日中太陽が昇らない季節になりました。雲のない夜、満天の星とともにオーロラが現れます。北東の空、南極大陸の上に緑色の帯が伸びていきます。光のカーテンが高くなり、こちらに近づいてきます。緑色のふちが赤く染まり、頭の上に広がります。天頂からシャワーのように光が舞い降りてきます。ゆらゆらと光が動き、天にはしごがかかります。やがて光の渦が南へ流れていき、夜空が静かになって再び星が輝きます。
そして季節は再び夏を迎えました。いま「しらせ」は南極へ向けて航海を続けています。新しい隊員と大量の物資を載せて。すでに昭和基地に果物はありません。生野菜はありません。生卵はありません。私たちは「しらせ」の到着を待ちわびています。
そんな私のことを「教会の誇りだ」と言って下さる人がいます。 しかしそれは誤解だと思います。我々はそんなに清く正しい人間ではありません。南極観測隊員は、皆さんが思っているよりもずっと汗臭く、泥にまみれた、かっこ悪い仕事です。私は昭和基地に来てまもなく、ぎっくり腰になりました。夜に岩場から落ちて足首を捻挫しました。ちょっと油断した隙に頬が凍傷になりました。ふとしたことで、緊張の糸が切れてしまいそうになるときがあります。なんとか心を穏やかに保ちながら、いま昭和基地で暮らしています。
日本へ帰るまであと4ヵ月。大きな事故を起こさないで日本に帰ります。人身事故を起こさないで日本に帰ります。南極で一日一日を過ごしている35人の越冬隊員のために、どうかお祈りください。
HARVEST’07
教会バザー 10.28(日)
“野分立ちて”当日はスゴーイ秋晴れ! 祈りが通じました!
1 婦人服コーナーと「お勘定」コーナー。賑わってます。
2 「詰め放題、一袋300円!」と、専ら“呼び込み”をご担当(長池先生)。総売上約45万円!お疲れさまでした。
3 手芸品コーナー
4 英語学校の菜食品コーナー
5 食券売り場
6 お弁当コーナー
原宿彩彩
●“新しい時代にホワイト夫人をどう読むか” シンディー・トゥッツィ博士による「預言の霊セミナー」(11.10)
TICとの合同で行われた11月第二安息日の礼拝説教者は、「エレン・G・ホワイト著書刊行委員会」のトゥッツイ博士。「有名な最後の言葉」と題してメッセージを取り次ぎ、午後には、表記のタイトルで、その豊かな学識と深い信仰心と洞察力がにじみ出るような、誠に中身の濃いお話をして下さいました。SDAにとって掛け替えのない、この預言者の真価を明快に説きつつ、たびたび聖書を高々と掲げて、「そして.すべての答えはここにあります!」と語りかける、にこやかなお顔が印象的。講演後、質疑応答の時間には、様々な質問疑問に対して、聴衆を包み込むかのように、一つ一つ丁寧に明晰な回答を示されました。とくに、即座に聖句を引用しての、分かりやすいご説明が心に残ります。「否定的な見解もないではないようだが…」という疑問にも、ホワイト夫人を真の預言者と仰ぐSDA教団の姿勢にはいささかの揺るぎもないことを強調されました。
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