2007年10月 第251号
東京中央教会と私
教団信徒伝道部担当部長、八王子教会牧師 磯部 豊喜
「…東京中央教会の思い出でもいいですよ」と教会新聞の編集委員、高橋亜希子さんより原稿の依頼を受けました。教団伝道局信徒伝道部担当部長として、硬いメッセージを書かなければならないのかなと深刻になっていたところ、この一言で「あっ、それならば、私にも思い出がある!」と心は躍りました。私にとって東京中央教会は決して外縁の教会ではありません。実に思い出深い教会の一つなのです。約20年前に妹が結婚式を行ったのはこの東京中央教会でしたし、また三十数年前には、実は、私は貴教会の求道者の一人だったのです(多分…)。
当時、私は新小岩に住み、勤労学生として平凡な世人の生活を送っていました。そのような中に、すでにSDA信者であった母からの差し向けだったのでしょうか。全く無縁であった当時の東京中央教会から講演会のチラシが送られて来ました。義理堅い私は、この時、生れて初めてキリスト教会の講演会に出席しました。講師は畠中徳男先生でした。恥ずかしいことに、この講演会でどんなメッセージを聞いたのか全く記憶がありません。ただ忘れ得ないのは、この講演会を終えて帰る直前に花束のプレゼントを頂いたことです。本来、花より団子の私ですが、東京砂漠の中で心が荒んでいたのでしょう。「へえ、こんなにきれいな花をもらえるのなら明日も来て見よう」と、翌日の講演会にも行きました。 しかし2回目にはお目当ての花のプレゼントはなかったので、3日目から行く事をやめてしまいました(いま思うと、あの花は結婚式で残ったものだったのでしょうか)。…このような不良求道者でしたが、菜食の店「マナ」を経営しておられた故長岡さんのお店でお世話になり、アルバイトの傍ら、聖書研究に参加させて頂いたこともありました。 後に私がバプテスマを受けさせて頂いたのは木更津教会でしたが、静かに信仰を育ててくださったのは東京中央教会だったのです。
今もなお、当時の私がそうであったように人生のあてもない多くの若者が「永遠の福音」に触れる教会として、東京中央教会が輝き続けていることを私は嬉しく思います。どうぞこれからも花束伝道?はもちろんのこと、数々の心温まる救霊活動にお励み下さいますように!信徒伝道部からエールを送らせていただきます。
「精錬する者の火」
一安息日学校・第4期聖書研究 教課ガイドー
東京中央教会牧師 長池 明夫
今期は、時として私たちに与えられる「試練]をどのように読み解き、対処していくべきかを学びます。私たちの人生には、しばしば思いがけないことが起こるものです。あの義人ヨブでさえも、この「試練」を満身に背負い、苦闘し続けたのでありました。聖書は随所に、その現実を私たちに提示しています。森羅万象は全て「罪」の影響の下にあり、その結果として私たちの人生にもイバラとアザミが生じ、そのために苦悩する現実があるというのです。例えば、創世記3
:16〜19にはその宣告が記されています。しかし、また、その現実を愛の神はそのままにしておかれない、つまり「罪」のために、地はイバラとアザミを生じたのですが、それらを神はあなたが生かされるために用いると、約束なさっているのです。
かつてイスラエルの社会においては、もし人が「試練」を背負うことがあれば、その原因は本人の犯した罪か、もしくは先祖の犯した罪の結果であるという考え方が支配的でした。ですから、ヨハネ9:1〜3において、弟子たちは生まれつき目の見えない盲人を論評して、その因果にこだわったのです。しかし主イエスは、その時「ただ神のみわざが彼の上に現れるためである。」と仰り、神の恵みを見上げていくように諭されました。
エレン・ホワイトは、かつて御自分が背負われた「試練」の体験から、このような言葉を残しておいでになります。「あなたの悩みの多くのものは、あなたを神の恵みの座に近づけるために、神の知恵によって許されている。……この世は神が私たちを天国にふさわしい者とするために働いて下さる場所である。」(教会への証)
私たちの人生には、しばしば思いがけないことが起こり、そのために苦悩することがあります。しかしそれが、たとえ「試練」の時であっても、愛の神を信頼し恵みを見上げながら歩んでまいりましょう。そうすればきっと、神のみわざがどのように顕されているかを発見できるに違いありません。ヨブは「試練」の火によって精錬され、金のように生まれ変わりました。またヨセフも数奇な人生ドラマの中で、万事を益として下さる愛の神のみわざを体験し、証しすることができました。この同じ愛の神がまた私たちの人生にも精錬する火を通してみわざを顕して下さるのです。
<祝・バプテスマ> 8.25
楠見恵子さん、アンダーソン信子さん、バプテスマおめでとうございます
渡部 正廣
おニ方が、ご姉妹で、今しばしの眠りに就かれている当教会の大先輩、伊藤繁美先生のお子様だと、長池先生よりお聞きした時は、大変びっくり致しました。8月25日のバプテスマ当日、歓迎会での信子さんのお話によりますと、お姉様の恵子さんがご病気になられたことを知り、信子さんは大変心配され、神様を信じる者となりましょうと、お姉様に強くお勧めになったそうです。
神様を信じて、神様の御守りのうちに生かしていただき、イエス様のご再臨の時には、甦られたお父様、おばあ様、そして102歳のお母様と天国で再会できる喜びを、信子さんは強くお語りになられたのでしょう。その熱意にお姉さまも心を動かされて、このたびのバプテスマとなったようであります。自分と姉の救いのために全力を傾注して祈りと共に働かれた信子さんのお話には、心打たれるものがありました。お年を召されたご姉妹が揃ってバプテスマをお受けになられるとは、すべて神様のお導きと、強く心に感じました。義母の伊藤冬子さんも、大変なお喜びようだったそうです。
伊藤繁美先生が眠りに就かれたのが平成四(1992)年、当教会の第一長老でいらっしやいました。戦前、三育学院を卒業後アメリカの大学で神学を学ばれ、戦後は、翻訳家として、秋葉原の事務所で、奥様の冬子さんとご一緒に働いておられました。毎週安息日こは、板橋の集会所で、そして最後の頃は墨東集会所で礼拝のご奉仕をなさり、午後は中央教会に戻って、理事会をはじめ諸会合に出席なされ、私たちの指導にも当たって下さいました。
伊藤先生がお話し下さった聖書のみことばの中で、今も心に残っているものの一つに、マタイ6 :33があります。「まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、これらのものは、すべて添えて与えられるであろう。」 思い煩いの多い私共に対して、思い煩うことなく、神様を第一として生きることの大切さを教えられました。冬子さんも、繁美先生と同様に、神様を第一として、人様のために、人様の祝福のために尽くしてこられました。恵子さんと信子さんは、このようなご両親によって育てられた方々です。神様の御守りと祝福がおニ方の上に豊かにありますように、また併せて伊藤冬子さんの上に、神様の御癒しをお祈り申し上げます。
「成長する教会のために」一全国長老研修会より
9月4日・5日の二日間にわたり、全国長老研修会が聞かれました。今回の目的は、教会長老の性質、機能、およびリーダーシップについて再確認するためのものです。東日本教区は天沼教会において持たれ、当教会からは、今ご夫妻と熊谷が出席しました。
講師と演目は、ジム・クレス世界総会牧師会長が「霊的リーダーの選び方と育成」、ジョナス・アライス同副会長が「教会員を動員するための霊の賜物発見」「教会のリーダーシップ」「訪問者への魅力ある礼拝プログラム計画」、ミゲルリレナNSD牧師会長が「ポストモダンと世俗的な心に届くために」をそれぞれご担当。簡潔で具体的で分かりやすく、クリスチャンとしての基本姿勢に加え、このような知恵と実践方法を学ぶことができたのは大きな恵みでした。今長老も「大切な<気づき>が与えられた」と。教会員すべてに通じる学びとして、クレス先生の講義の中から、先生のお言葉そのものをお借りし、お伝えします。
【霊的り一ダーの資質】
・「神への思いを持つ」
霊的なことに関心を示し、聖霊の導きにすぐに応じられる傾向を持つ。
・「人々への思いを持つ」
良いリーダーは、常に潜在能力のある人を探し、可能性を発見しようとする。(自分で何もかもしない。) 特に若い人の中にそれを見つけ、育つのを喜ぶ。
・「将来への目を持つ」
前向きで、現在を直視でき、未来にも目を向けて神の明日のご計画を見分ける。(神が過去を導いてこられたという考えは重要であるが、多くの人が将来を築くより過去を維持することに焦点を置いている。古き良き日はないことを覚える。)
・「学ぶ姿勢と、従う意思を持つ」
素直に聴くことは神からの恵み。自分の意見が強すぎるときは用心。従う意思とは、無名的で自己中心とうぬぽれを拒否すること。
・「教会員の信頼を得ている。また個人的によく祈る」
・「変化に心が開かれている」
神はいつも「見よ、わたしは新しいことをなす」と言われる。ご再臨を早める神のご計画に向かって新しい方法や冒険的なことも熱心に求め、頭と心を開ける人。
・「人の中に入っていける」
人が好きで人を愛せる人。人の気持ちをよく理解でき、喜んで与えられる人。
・「協力する思いが強い」
一度決議したことには、異議を唱える代わりに参加協力し、自分に固執しない。
・「み国に焦点を合わせる」
寛容さと忠実さ、聖なることを語る舌を持って現実に根を下ろし、目的を実行する一方で、永遠の価値と祝福された希望へと広がる幻を持つ。 (熊谷幸子)
想い出…7月14日、東京中央教会に出席して
神戸教会長老 室谷 元蔵
若い人たち六人のバプテスマに目を見張りました。次々と沈められていく姿を水槽のそばで目の当たりにした私は、胸が熱くなり感動にふるえました。五十数年前に、神戸・須磨海浜で二十歳代の青年が、1月7日に4人(私もその一人でした)、1月21日に4人、1月28日に11人と、一ヵ月の間に19人もバプテスマを受けたあの時の感激が、ついこの間のことのように想い出されました。
あのバプテスマ式の後、携帯電話に、私どもが仲人をさせていただいた「全国身障老友の会」の会長、木下兄弟の奥様から、主人が亡くなったので、神戸に帰らないでもう一泊して告別式で弔辞を述べてほしいという、依頼が入っておりました。お二人はこの東京中央教会で結婚式をあげました。彼は一級の障害手帳を持っていましたが、それを感じさせない、たくましさを持ち合わせておられました。現在のような理解認識のなかった頃ですので、好意的な反対、心配もありましたが、そのプロポーズをつらぬかれました。長い闘病生活中、奥様は病院のそば近くに居を移されての看病、美しい夫婦愛を感じました。
告別式に参列のお一人が、「室谷さんはVBSを熱心になさっておられたことを想い出します」と、思いがけない言葉をかけて下さいましたことに励まされて、証ししたいと思います。
日本で最初に夏期聖書学校を始めたのは東京中央教会でありました。韓国で成功しているので日本でも、との強いお勧めをいただいての開校でありました。
100人集まりました。 10日間の聖書学校が終わってからも、保護者の皆様方から同様の集会を続けてほしいとのご要望があり、「小学生英語の集い」を始めることが出来ました。当時の『キリスト教新聞』に大きく報道されたことは、教会にとって特筆すべきことだったと思っています。教団・安息日学校部長の梶山積先生、北部会の安息日学校の主任の原友安先生が全国を巡回してお薦めになり、翌年から全国各教会でも開校することになりました。全国各教会でも、夏期聖書学校は当初から10日間でありましたが、これは安息日の使命を伝えることが出来るという世界総会からの指導でもありました。
(室谷さんは昭和39[1964]年まで当教会に在籍されました。編集部)
坂口 裕一
「主よ、わたしは知っています。人の道は自身によるのではなく、歩む人が、その歩みを自分で決めることのできないことを」(エレミヤ書架10章23節)
この聖句を読むと、日毎に与えられる境遇というのは、運命としてあきらめるのではなく、さらに大きな信頼を受ける資格がある者かどうか(どのように賢明に対処できるか)を試すために意図されているという、証の書の言葉を思い出します。『スーパーマン』で有名な、俳優のクリストファー・リーブが、身体麻痺の障書者になってからも医療研究に奉仕した話などを聞くと、どんな状況に陥っても、自分よりもっと苦しんでいる人のために何かできることがあるということを教えられます。
このたびは転入の希望を受け入れて下さり大変有難うございました。受洗は平成元年ですが、未だにクリスチャンというには未熟な者です。実は約20年前、求道中の学生時代にも、明るい雰囲気の東京中央教会に時々伺っていたのですが、当時は社交性が全くなく、礼拝に出席するだけで終わるとすぐ帰ってしまっていました。今でも職業柄に似合わず人前で話すのは苦手ですが、できるだけいろいろな方々とお話しできたら幸いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○カリフオルニアだより
日本のSDAよ、がんぱれ!
三育学院サンタクララ校教諭(元東京中央教会牧師) 前川 英樹
7月14日、東京中央教会に久しぶりに出席して色々なことを考えておりました。懐かしい方々にもお目にかかりましたが、そのお一人お一人に育てていただいたのだと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。と同時に、多くの若い方々のバプテスマを見ることができて、大きな励ましでした。その中でも、金城聡子さんのバプテスマに際しては、走馬灯のように色々と思い出しました。お父様がなくなられた夜のことや、青年会の方々がお別れ会をして下さった際の励ましの言葉を賜ったことなど…。久しぶりに皆さんにお話をさせていただいて、とてもうれしかったです。 と同時に、「日本のSDAよ、がんばれ!」と、エ−ルを送りたくなりました。
あの翌日、同じ場所で今働いている補習校の同窓会がありました。台風直前にもかかわらず、100名の元生徒さんと保護者の方々が集まって下さいました。私が中央を去った後に切り聞かれた道で出会った人々です。9年前に教えた元中1クラスの子達は、もう大学4年生です。日本での私とアメリカでの私が交差する週末でした。
原宿彩彩
●新鮮・充実の4日間一三育学院神学科体験青年修養会(9.21〜24)
当教会を中心に、三育学院、光風台、天沼、亀甲山、富山各教会の青年たちが、定員に近い18名参加。「しっかり,ちょっぴり、学ぼう」というテーマのもと、神学科の講義を受講するという、これまでにない修養会でした。講義内容は、東出先生「神学緒論」「SDAの礼拝」、里内先生「ダニエル書」、三宅先生「新約聖書釈義」、近藤先生「信仰実践」、宮田先生「青年期の課題]、山地正先生「コミュニケーション論」の7講義。神学は「人々に希望を与える学問である」、また「神様がどれほど私たちを愛しておられるかを知る学問である」ことを学ぶことでき、SDA教会について改めて考えるよい機会となりました。と同時に、牧師になるための学びの深さとご苦労を垣間見て、牧会に進まれる方々のために、もっとお祈りしたいという気持ちが今、強まっています。 (稜)
夏の暑さが残る午後、75歳以上のゲストが大勢ご出席。女執事の皆さんの心づくしのお料理が用意され、後輩からのご挨拶や青年会からのプレゼント贈呈と続き、共に讃美歌を歌う…、和やかで楽しいひとときでした。いつも思うことは、体調のすぐれない時もあるのではと案じていても、多くの方が元気なお姿でおいで下さるのは神様のお支えがあるからこそ、ということです。そして、信仰の先輩方の歩みを通して、私自身励まされ、勇気づけられています。色々と教えて頂き、信仰を確りと受け継いでいきたい。皆様の健康のためにお祈りをしていきたいと思います。 (稜)
英語学校では、10月の水曜夕方から「聖書研究クラス中国語」を始めます。ユ・チヤンフ牧師によって開催されます。聖書はこちらで用意いたします。興味のある方はふるってご参加下さい(横山絢子)
ぽえむ
見放くればみどり果てなき仙石原
流るる雲間の朝日まぶしき
テレビにて沖縄戦を報ずる朝
沙羅の花あまた門辺に散りばう
沙羅の花華やぎて落ちし一日の
命を惜しみ手の上に載す
(信子)
原宿パスファインダークラブ 北海齢キャンプ報告(2)
〜旭山動物園&プールの巻〜
北海道に着いて2日目、楽しみにしていた旭山動物園へ出発。天気予報は晴れ、お昼は動物園の芝生でお弁当を食べましょう!とみんなわくわくしながら動物園に行きました。と・こ・ろ・が…動物園に着いてしばらくすると雨がぽつぽつ。いまや上野動物園の年間入場者数を抜いた大人気の旭山動物園は、列に並ばないと動物が見られません。雨の中並んでいると、更に雨足は強まり、ざあざあ降り。それでも、水の中を気持ちよさそうに泳ぐ白くまの毛並み、筒状の水槽をすい〜と泳ぐアザラシ、手に届きそうなくらい近くで見られるペンギンやチンパンジーの赤ちゃんなど、旭川動物園の動物の「見せ方」に魅せられ、雨にも負けず園内をまわってきました、天気予報を恨みながら、屋外での昼食はあきらめ、旭川教会にお邪魔しました。こんな時、SDAのネットワークには本当に素晴らしいなと思います。お弁当とちょっと奮発して買った「でんすけすいか」を食べ、チャペルで讃美歌を歌い、交流の家に戻りました。
交流の家は、おふろは温泉、食事はバイキングととても恵まれた環境で、子どもたちは疲れ知らず。なんと夜には、施設内にある温水プールで2時間も遊びました。そのパワーたるや凄まじく、泳げる子は1kmぐらい泳ぎ、遊び専門の子どもたちは水中鬼ごっこやボール遊び、学生文伝の大学生にまとわりついて団子になっていました。北海道のお友達ともすっかり打ち解けました。 とにかく楽しくて楽しくて、すべてが全力投球の子どもたちは、あっという間に寝息を立てて夢の中へ入っていきました。 (以下次号)(CW)
SS・Select Shot
<9月の安息日学校から>
9月8日
7、8月に続いて、ご夫婦の証(渡部 正廣・智子ご夫妻)
10月のスケジュール
10/6 (土) [説] 長池 明夫牧師
役員会、長老会
/13(土) [説] エスピノーザ牧師(TICと合同)
子羊クラブ
/14(日) クッキングスクール
/20(土) [説] 尾上 史郎先生
北浦三育中学校生徒による音楽礼拝
教育セミナー
理事会
/22(月) 子どもバイブルクラス(英語学校)
/27(土) [説] 長池 明夫牧師
子羊クラブ
/28(日) 教会バザー
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