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2007年3月 第244号                                         
     発信教会としての役割
     
           
教団女性部・家庭部 北林 信子 
        
         

 かれこれ60年ほど前にさかのぼって記憶をたどってみると、戦後まもなく天沼教会から信徒が分かれて、原宿に東京教会がスタートした時のことです。私が8、9歳の頃です。(事務室の島田寿美江さんにお尋ねしたら、1950[昭和25]年天沼教会からの42名の信徒により原宿教会が組織され、翌1951年「東京中央教会」と命名したとのことです。)
 母に連れられて、教会組織記念礼拝に出席しました。覚えているのは、原宿駅からまだ空き地のいっぱいある道を歩いて、臨時の教会(何かのビル)に行きました。礼拝のことは何も覚えていませんが、観音開きの窓から青い空が見えたことと、窓から見る景色はたいしたビルもなく、いっぱい空き地があって、すきまだらけの原宿でした。そして、その空き地,に教会が建設されるということを聞いて、「すごい!」と思ったことが記憶に残っています。
 それから数年後、新しく大きく、「すてき〜!」と言いたくなるような立派な会堂で、エルドリッジ先生による講演会が32か36回か、聞かれました。母はその講演会に、私たち姉妹と、誰か福音を伝えたいお友達を案内して、ほとんど毎晩出席しました。当時、快速など走っていませんでしたから、武蔵境から鈍行で一時間ちょっと掛けて通いました。そうしたことが、私のなかに、教会のことを優先する、大切にする、伝道するとはどういうことか、ということの基本を教えてくれたと思っています。
 今や、牧師や働き人が豊かに与えられた時代は去り、教会員が皆、キリストの証人として色々な方法で伝道に携わる、参加するよう勧められています。女性教会員にもその必要が向けられています。黙って聞いて、言われたことをお手伝いするというだけでは、一人のクリスチャン女性としてキリストの弟子になる意識は育たないでしょう。大切なのは、主体的に、一クリスチャン女性として、いかに学び、考え、行動するかを身に付けることです。そうすることによって、私たち女性数会員は、今の時代に必要とされている教会の機能を果たす役割を充分に担うことができるのだと思います。
 このようなことは、あの仮のビルの教会の窓から、青い空と広い空き地を眺めた当時の少女は考えてもいませんでした。でも、「数会ってすごい!」という思いを持ち続けることができたからこそ、今の私があるのだと思っています。
 やっぱり、東京中央教会はその名称のように、アドベンティストの看板教会として時代の流れに乗りつつ、伝統ある教会として存続し、多くの有能な人材を育て、地方教会へも様々なことを発信する、そんな教会なのだと、私は思い続けていきたいのです。






                                                                                                      






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