教会の紹介 集会案内 健 康 原宿ニュース お葬式 英語学校
TIC 公文教室 関連リンク クリスマス TOP
バックナンバー




    

2005年3月 第219号                                         
 
 「卒 業」
 
         
    東京中央教会長老 弥永 真生    
     
 3月は卒業の季節。なぜ、日本では、3月が卒業の時期なのかはよくわからないが(おそらく、4月を学年の始めにするということが決まった結果、3月になったのだろう)、卒業するということは、一定の学びに区切りをつけるということだが、それは、また、新しいステップに踏み出すということでもある。英語では、卒業式をcommencementというようであるが、辞書を見ると、この言葉の訳語としては、「開始、始め」という方が先に載っていることが多いようである。
 私の場合、卒業といえば、「無事に卒業できた」という安堵感と将来に対する漠然とした不安感が思い出される。
 小学校を卒業したときは、北浦三育中学校に入学することが決まっていたので、親元を離れて寮生活がやっていけるだろうかという不安があったが、やはり、大学に入学したときの不安感というのは比べ物にならないくらい大きかった。まず、一人暮らしをするのは当然初めてである上、安息日を守って、大学を卒業できるだろうか、4年間で卒業できなかったら、生活費は持つだろうか、全く卒業できなかったら、将来、どうやって食べていけるだろうかなどと心配していた。
 それだけに、最初の大学を卒業したときには、卒業できてほっとし、また神さまのお助けの確実さを改めて感じた。土曜日に必修科目の試験がかかったときは、その日に「大雪とか(ひょう)とかが降って、試験が中止にならないかな」などと思ったのだが、そうはならなかった。しかし、私が期待したのとは別な方法で、神さまは追試が受けられるようにしてくださって、4年間で無事に卒業できた。
 それにもかかわらず、大学に助手で残れることが決まって、二つ目の大学を卒業するときにも、土曜日を休めるだろうか、ちゃんと3年間で論文は書けるだろうか、3年後に就職先があるだろうかなどと、またもや小心者の私は心配だらけだったのだ。
 それでも、高校3年のときに読んだ「わたしは決してあなたを離れず、また、あなたを捨てない。」(ヘブル人への手紙13章5節)というみ言葉は、不安感をもって卒業する私にとって、つねに支えになってきたような気がする。







連載・第3回  聖書の楽器(3)
 打楽器

                       及川 律

 人類が最初に発明した楽器は打楽器であったのではないかと言われています。世界中どこの民族でも、何らかの打楽器が使われています。古代イスラエルでは、太鼓、ドラ、シンバル、ベルなどが使われたことが聖書に書かれています。
 ミリアムが踊りながら使ったとされるタンバリンは、現在のタンバリンとは違い、手に持てるほどの小さな太鼓で、日本で「うちわ太鼓」と呼ばれているものや、沖縄のパーランクーなどに近いものだったようです。旧約時代には、喜ばしいことがあった時に、女性たちが屋外で踊るときに用いたそうです。この太鼓は女性の楽器で、世俗的な用途に限定されており、礼拝においては使われていなかったようです。偶像礼拝や異教の礼拝では、踊りが盛んに行われておりました(出エジプト32章、列王妃上18章)が、イスラエルの礼拝はそのようなものを極力排除しました。
 一方、ドラは礼拝や集会の合図として使われ、シンバルもリズムを刻むというよりも、曲の区切りを示すような使い方で用いられたようです。
 その他の太鼓、ベルなども、礼拝の場ではなく、踊りやお祝いの時などに自由に使われていたと考えられます。ミリアムの踊りや、ダビデが契約の箱を持ち帰った時に踊ったのも、そのような場面だったと考えるのが自然でしょう。
 新約聖書には、「やかましいドラや、騒がしいシンバル」という表現があるように、打楽器に関しては、どちらかというと消極的であったようにも読み取れます。礼拝での打楽器の使用に関しては、私たちもそれぞれの社会的、文化的背景の中でのこれらの楽器の意味合いを大切にする必要があります。
 聖書の楽器を3回にわけてご紹介してきましたが、残念ながらこの分野の研究はとても困難です。いずれも実物が残っているわけでもなく、周辺の民族の楽器からの推測によるものが大半です。詩篇に出てくる楽器の名称などは聖書の原語を研究している専門家にも全く見当のつかないことが多いのが現実です。今後の研究の成果を期待したいものです。     (つづく)
                                                                                                      






戻る