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2004年5月 第209号                                         
    「敬 天 愛 人
  
                東京中央教会副牧師 柴田
  
 みなさん、はじめまして! このたび鹿児島の隼人から参りました柴田寛(32歳)です。家族構成は、愛妻の幸子(20代)と、愛娘の奏(1.8歳)の三人です。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて今回は、私たちの前任地、鹿児島にちなんだ話をしたいと思います。
 鹿児島といえば「西郷隆盛」。いたるところに銅像が立っていて、まぎれもなく県民のヒーローです。鹿児鳥人は本当に西郷さんを尊敬しているし、「日本の夜明けはこの鹿児島から! 鹿児島は日本の中心!」という空気があります。私も行くところ行くところ「ここが日本の中心だ!」と思ってきましたが、鹿児島は本当にそういう雰囲気があるところです。ですからみなさん前向きですし、特にお年寄りが本当に元気です。世界最高齢116歳で先日なくなられた方も、その前に120歳で最高齢だった方も鹿児島県人ですから。

 そして鹿児島でもう一つ忘れてはならないのが、「キリスト教伝来の地」でもあるということです。で、このキリスト教と、この日本の夜明けに大きく貢献した西郷さんは決して無関係ではないのです。
 実は、西郷さんが当時、長崎に来ていたオランダ人のプロテスタント宣教師、フルベッキという人から教えを受けていた、ということが教文館発行の「日本基督教史全集」272ページに書いてあります。そしてその西郷さんが残した有名な言葉が、「敬天愛人」です。

西郷さんの残した言葉を集めた「南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)」には、次のように記されています。

「道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は我も同一に愛し給ふゆえ、我も愛する心を以って人を愛する也」

 これをわかりやすく書き換えると、
「今ここにいるあなたは、偶然に存在しているのではない、天に愛されて、見えない存在にみな平等に愛されてここにいるのだ。だから、私たちもだれへだてなく愛し、生きていこう。」となります。

 彼は天地万物の創道士を信ずるとは口にこそ出していませんが、この言葉にそれがありありと現れています。

 また西郷さんは、ここ東京とも無関係ではありません。かつて江戸高輪にある薩摩藩の屋敷で、幕府陸軍総裁の勝海舟と会見をし、江戸城を無血開城に導き、江戸の町を戦火から救ったのはこの西郷さんでした。

 上野で西郷さんの銅像を見ることができます。そこに行けば、「“天にいて、私たちを愛して下さっている方"を意識して生きる生き方、これこそ人の道」という声が聞こえてきそうです。

 この声を消してはいけません。この東京の雑踏の中で、今度は私たちが声を大にして宣べ伝えていく番です。日本の夜明けのために。
                                                                                                      






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